リノベーションが進む奄美市永田橋市場-再生のきっかけ-

奄美市中心市街地に位置し、最近、再生が進みつつある永田橋市場に行ってきました。 かつて「市民の台所」としてにぎわっていたところですが、平成10年に隣接するスーパーが撤退したことによって、数店舗を残して空き店舗になっていました。しかし、平成24年に地域FM局のスタジオが開設されたことにより、レトロな駄菓子屋の出店もあり、再び注目されるようになったそうです。 最近は、出店者が増え、ギャラリーなども設けられ、徐々に賑わいを回復しつつあるそうです。年代を感じさせる概観で、まだまだ整備が行き届いているとはいえませんが、逆にレトロなファザードが不思議な魅力を醸し出しているようです。

ここに出店している「こん日和(こんにちは)」というお店の経営者である高橋さんは、群馬県の出身だそうです。もともとカフェを経営したいという夢を持っていたそうですが、5年前に友人と訪れたときに、ここの雰囲気と1万円という家賃の安さに心を動かされて、移住を決意されたそうです。 最初は家主に貸さないといわれ、苦労もあったようですが、最終的には家主も熱意にほだされたとか。結果的には、出店してもらったことは市場の再生面でも大正解。若い女性が群馬からIターンで出店したことが市場の再生に弾みをつけたようです。地域の再生には、こういうきっかけが重要だと改めて感じました。

「こん日和」は、自家焙煎の美味しい珈琲が飲めることもあり、今ではけっこう常連さんがいるようです。あまり席数もない小さな店ですが、小さなつながりの拠点になっているようです。小規模ながらも奄美の第3の空間なのかもしれないな、と思いました。

今年は、NHKの大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」が放映され、奄美を訪れる観光客が増えそうです。奄美が世界遺産に指定されたら、さらにこうした動きが加速されるでしょう。永田橋市場の周辺では、市の観光情報センター「AiAi広場(あいあい広場)」の前面の道路が拡幅され、整備が急ピッチで進められています。こうした動きとあいまって永田橋市場界隈も賑わいが増しそうな予感がします。 永田橋市場の取組が核となって、エリア全体としてのリノベーションが進むことに期待したいと思います。  

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