アマゾン第二本社-本社の立地について-

数日前の新聞に、シアトルに本拠を置くアマゾン・ドット・コムが、第二本社の候補地をニューヨーク、シカゴ、トロントなど、20都市・地域に絞り込んだという記事がでていました。第二本社は、50億ドルを投じて5万人の雇用を生むということなので、激しい誘致合戦が繰り広げられているようです。

確かに、本社の立地は都市・地域の振興にあたって魅力的な機能です。アマゾンのような大規模な本社であれば、建設効果も雇用効果も破格ですし、そうでなくても利益が送金されてくるという意味で、外貨を獲得する基盤機能だからです。しかも本社が立地すれば、オフィス機器などの賃貸業や、広告業、会計・法律等の専門サービス業等の関連産業の立地も見込めます。地域経済にとっては、本社の雇用以上の経済効果が見込めます。全米や周辺国の都市・地域が誘致に一生懸命になるのも理解できるというものです。

日本でも、地方創生に向けて、平成27年から地方拠点強化税制が導入されており、本社機能の移転が促進されています。具体的には、地方のオフィスを拡充したり(拡充型)、東京23区から地方都市にオフィスを移転した場合(移転型)に、オフィス取得や雇用促進のための減税が適用されます。

本社機能の一部や、生産拠点やR&D(研究・開発)施設の黒部市への集約を進めているYKK等の事例もありますが、逆に一都三県への本社機能は集中が進んでいるといいます。どうも日本では、本社は大都市圏に置く必要があるという意識が強いように思われます。ITが進歩する中で、人事や、経理などのバックオフィス部門については郊外部や地方に立地させる場合も増えてはいますが、依然として東京への集中度が高いということができます。

背景に、日本には、東京に本社があることをステイタスと考えるメンタリティがあるような気がします。中央省庁にしても移転が検討され、文化庁が京都に移転するようですが、その他は省庁の抵抗が大きいと聞いています。ここにも東京から移転することは都落ちであり、できれば避けたいと思うメンタリティが潜んでいるように思います。

これに対して、米国は、本社は創業の地に置く場合も多く、立地場所が多極化しているといえます。ワシントン連邦首都であることもそうですが、州都も最大の都市ではない場合が多数あります。最大都市に立地することによって、ステイタスがあがるという考え方はないのではないでしょうか。

YKKのように、もっと出身地域への還元を大切にする企業が増えれば、地方創生も進むはずです。現在の税制などの優遇策も大切ですが、創業の地などへの地方立地を前向きに考えるメンタリティを醸成する仕組みがないものかと考えてしまいます。

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