地域再生エリアマネジメント負担制度の閣議決定

政府は、2月6日に「地域再生法の改正案」を閣議決定しました。この改正案には、いわゆる「日本版BID(Business Improvement District)」制度と呼ばれる「地域再生エリアマネジメント負担制度」が盛り込まれています。 これは、市町村が地域再生に資するエリアマネジメント活動に必要な費用を受益者から徴収し、エリアマネジメント団体に交付することができるようにするものです。今回の改正案では、地域の発意や受益者の3分の2以上の同意を要件としています。

BIDは、1970年代にカナダのトロントで生まれたエリアマネジメントの仕組みです。特定地域における清掃事務やイベント・PR等を受益者負担で実施する仕組みとして導入されました。もともとはソフト事業が対象でしたが、最近では、コンベンション施設の建設など、ハード整備を含むスキームとしても活用されています。例えば、サンディエゴやサンフランシスコでは、コンベンション施設の整備費の一部について、集客から大きなメリットを得ている宿泊施設等から負担金を徴収するBID制度が導入されています。

特定エリアにおけるサービス提供の仕組みとして、我が国でも必要性を訴える声は以前からあり、大阪市の「うめきた地区」等における導入例等がありますが、わが国では明確な制度としては導入されていませんでした。今回の地域再生法が成立することによって、サービスの提供機関の位置づけが明確になり、フリーライドを防げることから、特定エリアにおける共同体としてのサービスを導入しやすくなることが期待されます。エリアマネジメントの取組による共同体意識の深まりにも期待したいと思います。

ただし、そのためには関係者の合意形成に向けて、関係者の負担と得られる効果を明確にする必要があると思います。現在は、制度ができたとしても、導入した場合の関係者の負担金額や、エリアマネジメント団体に対する公的なインセンティブのコストや、得られる効果はよくわかりません。先行して導入している欧米では、費用と効果を示す資料が地方議会に提出され、それに基づいて設立の可否が議論されています。わが国でも、新しい制度が有効に活用されるようにするためには、関連費用と得られる効果を明確にする必要があります。

機能する制度となるように、ぜひ国会でしっかり議論して欲しいと思います。

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