韓国の直接投資が存在感を増すベトナム

ホーチミンで最近のベトナムの状況についてJETROの方にお話をお伺いさせていただきました。2010年頃から海外の直接投資が大きく伸びており、2017年には、約4,000件、約175億ドルに達しているとのことでした。2010年は1,639件、110億ドルだったので、件数が大きく伸びていることが分かります。進出した大手企業に対する部品メーカーの進出が増えていることが背景にあるようです。

もう一つの特徴は、韓国からの直接投資が存在感を高めていること。2017年までの累計額でみると、件数の約4分の1、認可額の約6分の1が韓国とのこと。日本からの直接投資も多いものの第2位にとどまっています。もともと日本からの直接投資が最大だったのですが、サムスンが優秀な韓国人材に目を付け、世界的な生産拠点としたことで逆転しました。

サムスンがベトナムへの投資を本格化したのは2009年のこと。バクニン省に巨大な携帯端末の生産工場を立地させました。同社のベトナムにおける部品調達率は2016年には51%に達しており、部品ベースでみると、同社が生産する世界の携帯端末の約半分がベトナムで生産されているということができます。この結果、サムスンの輸出額だけでベトナム全体の輸出額の2割を超えるそうです。関連部品メーカーの進出も約200社に達しています。

注目したいのは、ここに来てR&Dへの投資を増やしており、生産拠点から研究開発拠点へと位置づけを進化させていることです。優秀な人材が多いベトナムに大きな可能性を認めているからだと言われています。ベトナム人は真面目なことに加えて、塾に通うなど自己投資に余念がありません。気になるのは、今後のベトナム経済における日本の存在感の行方。間違いなく強いつながりを持ってはいるのですが、サムスンの存在感の大きさをみると、中長期的な行方が気になってしまいます。

ただ、ベトナム人の日本に対する憧憬の念が強いことも分かりました。今回、日本語学校を訪問する機会があったのですが、大学を卒業したばかりの多数の若者が日本語を学び、日本での就業体験を積もうと努力していました。エンジニアを目指す若者の多くが10年ぐらい日本で働いてから、ベトナムに戻ってみたいとのこと。日本に良いイメージを持っていることが分かり、嬉しく思いました。南北に長い国土、勤勉な国民性等、ベトナムと日本には、いろいろ共通点があるようです。日本への期待感をベースに、ベトナムにとっても日本にとってもメリットのある関係構築を維持し、発展させることが重要との認識を新たにいたしました。

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