中枢中核都市の整備について

先日、閣議決定された来年度予算は、一般会計が始めて総額100兆円越えました。社会保障費が増加していることに加え、来年10月に導入される消費税対策が盛り込まれたこと等のためだといいます。まちづくり分野も消費税対策で 厚めに予算が配分された分野のひとつ。キャッシュレスエコノミーに向けた補助事業が注目されていますが、この他にも商店街対策で50億円が積み上げられているそうです。こんなに使いきれるのか、という声もあるようですが・・・・

一方、国土構造を見据えたもう少し大きな視点に立った政策としては、東京一極集中の是正に向けた「中枢中核都市」の整備に注目しています。 政策の背景には、平成30年7月12日都市再生本部決定、まち・ひと・しごと創生本部政策決定と、 平成30年12月18日に地域魅力創造有識者会議がとりまとめた報告書があげられます。地域社会を維持するための中心・拠点として、近隣市町村を含めた地域全体の経済、生活を支え、東京圏への人口流出を抑止する機能を発揮することが期待される拠点として、政令市、中核都市等の強化が必要との認識のもとに、具体的な支援策が打ち出されました。

まず対象となる 中枢 中核都市について、 年末12月18日にまち・ひと・しごと創生本部 から出された通達によれば、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)以外に存する政令指定都市、中核市、県庁所在都市、中枢連携都市に該当するもののうち、昼夜人口比率が概ね1.0未満の都市を除いたものとして、82市が指定されました。また、具体的な強化策としては、①省庁横断支援チームによるハンズオン支援 、② 地方創生推進交付金による支援、③ その他中枢中核都市の機能強化を図るための支援があげられています。

対象都市は、これまでも地域の拠点としての役割を果たしてきた都市が選定されており、概ね妥当な選択だと思います。また、政策については、省庁横断支援チームによる ハンズオン支援がどこまで効果的なのかについては気になる点もありますが、地方創生交付金のかさ上げ等はうまく使えば効果が期待できるように思います。地方創生に向けて、拠点となる中枢中核都市の形成が重要なことは論を俟たないところであり、今後の展開に期待したいと思います。

そのうえで、展開に当たって留意すべきと感じたことがあります。

ひとつは都市圏としての視点をしっかりともって中枢中核都市の整備を進めるということです。経済活動や生活行動を踏まえた地域のまとまりは、あくまで都市圏が基本であり、単体の都市ではないからです。「中枢中核都市」と言い切ってしまうことで圏域の整備が軽視されることのないようにしてもらいたいと思います。例えば、札幌市では、周辺自治体における企業立地も対象とする補助制度を準備しています。こうした圏域を意識した地域振興策の推進に期待したいと思います。

また、個別施策として、今後期待したいのは中枢中核都市の中心市街地における業務機能の誘導施策です。本社等の業務機能の立地については、これまでにも本社移転に対する税制緩和措置が導入されたり、国の行政機関の移転が推進されるなどの対策が取られてきました。その一方で本来都市の核形成に貢献すべき中心市街地活性化は、商業機能や都市型居住の推進が中心で、業務機能の立地は、浜松市など一部の自治体を除くとなぜかそれほど明確な対象となってきませんでした。既に6月には2024年度までに地方の就業者や起業家を計30万人増やす目標も掲げられました。 地方創生に向けた地方のエンジンとして業務機能の立地誘導に従来以上に真剣に取り組む必要があると考えています。

これからの地方創生に向けて中枢中核都市の整備を有効に推進するためには、都市圏を単位として、業務機能、商業・サービス機能、居住機能、交流機能をバランスよく備えた都心地域(中心市街地)の形成が大切です。その意味で今後展開される中枢中核都市の整備に当たっては、都市圏、中心市街地活性化の視点をもって推進さべきことを再認識すべきだと思います。

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