「本」によるまちの活性化

先日、久しぶりに訪れた周南市徳山の駅ビルが、CCCが指定管理者を務める市立図書館になっているのを発見しました。蔦屋書店、スターバックスが入り、珈琲を飲みながら、本が読めるスタイルは各地の他施設と同様ですが、140mのテラスから御幸通りの並木と街並みが展望できる気持ちのよい空間を提供しています。

施設のコンセプトは、「未来の私に出会う場所」。365日9:30-22:00まで開かれています。3階建てで、蔵書数は約6万冊です。利用者は高校生が多いようですが、もちろん他の年代からも利用されていて、公立図書館としては全国屈指の年間200万人を集めているとのこと。まちなかに訪れてみたいと思わせる第3の空間「サードプレイス」を生み出した好例だと思います。

 

 

周南市に限らず、「本」をまちの活性化に活かそうという試みが、増えているように思います。例えば、八戸市では、市長が公約した「ほんのまち八戸」を実現するための拠点施設として「八戸ブックセンター」を直営でオープンさせました。市の直営施設といっても、図書館というよりは提案型・編集型の商品展示や、イベントが行われているブックショップです。珈琲を飲みながら、本を読むことができるお洒落で心地よい空間が提供されています。八戸市内の民間書店や図書館、市民活動などと連携しながら、本に関する公共サービスを提供しています。

また、愛知県安城市では、空洞化が進む中心市街地の活性化に向けて、病院跡地に図書館を核として、ホール等の文化施設や、商業施設が入居する拠点施設「アンフォーレ」を整備しています。複合施設の核に図書館を設けている点が特徴といえるでしょう。伊丹市でも中心市街地の周辺に、「公園のような図書館」を基本コンセプトとし、交流スペースや展示スペースも充実した図書館「ことば蔵」を開設しています。

コミュニケーション手段としての本には、もともと人を惹きつける魅力があるのだと思います。上記の施設は多数の書籍と出会える場所を作り出すことによって、こうした魅力をまちづくりにうまく活かした取組といえるでしょう。

一方、こうした施設をうまく機能させるためには、整備された施設の管理運営が重要なことはいうまでもありません。特に公的施設の図書館の場合、民間による運営に否定的な意見も垣間見られます。

冒頭に紹介した周南市立徳山駅前図書館の場合も、CCCを指定管理者とすることについては、高額な指定管理費の問題など、他市と同様の反対意見もあったようですが、周南市のケースの場合、200万人という集客力を背景にうまく歯車が開店しているようです。加えて、周南市の場合、まちづくり会社が事務局を務め、周南市、商工会議所、CCC、JR西日本、商店街関係者等の関係者が集まる場「まち駅連絡会議」が、関係者の連携のもとで新たな企画を生み、チーム力を醸成する場として機能していることに注目したいと思います。公民連携もやり方によっては成果を上げられるといえるでしょう。

全国で立地適正化計画の策定が進んでいるように、人口減少社会を迎え、都市のコンパクト化に向けた公共施設立地の再編が検討されています。特に、図書館は利用者が多様な集客機能のひとつです。まちの活性化に向けてこうした側面から図書館機能や書籍を扱う機能の整備活用が進むことに期待したいと思います。

 

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