ベトナム経済の課題-起業家マインドの醸成-

ベトナムは、携帯電話などの生産拠点として、企業立地が進み急成長しているものの、産業構造はまだ厚みがありません。このため、進出した企業が現地で部品を調達するのは難しいと言われています。ベトナムに進出する企業は、部品を周辺国から輸入したり、部品メーカーを自国から呼び寄せたりという対応をとっている場合が多いのです。

近年、ベトナムの投資は、製品組み立てから、こうした部品生産に移行しつつあるといわれており、今後も関連工場の立地が進むと見込まれます。ベトナム経済の振興に当たってはこうした生産需要をしっかりと受け止め、いっそうの産業集積につなげていくことが肝要だといえます。特に、輸入代替を進めるためには、国内資本による起業を促進することが重要だといえるでしょう。 ただ、こうした事業機会はあるものの、ベトナム資本による事業参入や、関連する起業はまだあまり見られないようです。起業の状況をJETROの担当者に質問したところ、一瞬ですが空を仰がれてしまいました。また、日本語学校でエンジニアを目指す若者たちに質問した時も、10年ぐらい日本で働いたら、ベトナムに帰りたいとはいうものの、帰ってきて自分で会社を興そうという生徒に会うことはできませんでした。

もっとも、ベトナム人の起業家精神は世界第7位というレポートもでています(global entrepreneurship report2015)。ただし、起業家精神は年代に大きく依存しており、起業家精神が旺盛なのはあくまで34歳以下の若い世代ということです。35歳以上の世代は、能力に自負はあるのですが、起業に対する意欲は年齢が高くなるほど低下するということです。若いベトナム人の起業家の話題も紹介されています。今回のベトナム訪問では出会えなかったのですが、こうしたレポートや記事をみると、起業家精神が旺盛な若者も輩出しつつあるようです。 ベトナム経済が発展し、それをベトナム国民の所得向上につなげ、ベトナム国民が享受するためには、自国内資本による輸入代替や、輸出促進を進めることが必要不可欠です。

中長期的な自立的発展に向けて、起業意欲が豊富な若者のメンタリティを活かすための人材育成や、投資促進制度、セイフティネットなどの整備に期待したいと思います。

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